大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和28(あ)157 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

被告人本人の上告趣意について。

論旨は刑訴四〇五条に定める上告理由に当らない。また同四一一条を適用すべき

ものとは認められない。

弁護人高沢正治の上告趣意第一点について。

しかし累犯の加重を定めた刑法五六条、五七条の規定が憲法三九条に違反するも

のでないことは当裁判所の判例とするところである(昭和二四年(れ)一二六〇号、

同年一二月二一日大法廷判決。判例集三巻一二号二〇六二頁以下参照)。そして原

審は被告人の前科その他の情状を考慮して第一審判決の量刑を相当であると判断し

たのであつて、前犯に対する確定判決を動かしたり、或は前犯に対し重ねて刑罰を

科することを是認したものではないのであるから、何等憲法三九条に違反するもの

ではない。論旨は理由がない。

同第二点について。

論旨は憲法三一条違反を主張するけれども、その実質は訴訟手続の違法を主張す

るものであつて上告適法の理由にならない(所論の起訴状の記載によれば「被告人

は同年《昭和二七年の意》三月二六日出雲市a町A農業協同組合購買部に於て他人

の現金三一九六円を窃取したものである。」というのであるから必ずしも訴因の明

示として缺くるところはないのであつて、第一審第二回公判において裁判所は「他

人の現金三一九六円」について所有者が何人であるかを更に明確にせしめたに過ぎ

ないのである。従つて訴訟手続としても違法はない。)

また記録を精査しても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

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よつて同四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決す

る。

昭和二八年四月一七日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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